スコアリングモデルの設計方法:中小企業が見込み客を見極めるために
中小企業の経営者やマーケティング担当者の皆さん、自社のウェブサイトに来た人、資料請求をした人、メルマガを読んだ人…その中で「本当に営業すべき相手は誰なのか」と迷ったことはありませんか?
営業リソースが限られている中小企業こそ、見込み客の“温度感”を見える化し、優先順位をつける仕組みが必要です。そのために有効なのが「スコアリングモデル」の設計です。
この記事では、スコアリングモデルの基本から、実際にどう設計し、活用すればよいのかを初心者にもわかりやすく解説します。
スコアリングモデルとは?
スコアリングモデルとは、見込み客(リード)の行動や属性に点数(スコア)をつけ、営業アクションの優先度を判断する仕組みです。
例えば、以下のような行動にスコアを設定します:
- メルマガ開封:+5点
- 資料ダウンロード:+15点
- 問い合わせフォーム閲覧:+10点
- サイト来訪5回以上:+20点
スコアが高ければ高いほど「関心度が高い」「購買意欲がある」と判断でき、営業やフォローのタイミングを逃さず対応できます。
なぜ中小企業にスコアリングが必要なのか?
✅ 営業の効率が上がる
限られた人員でも、ホットな見込み客を優先的に対応できるため、無駄打ちを防げます。
✅ 顧客との関係を深めやすくなる
行動履歴に応じて最適なタイミングで接触できるため、見込み客の満足度もアップ。
✅ マーケティング施策の効果が明確になる
「どの施策がスコアを押し上げたか」が分かれば、改善の方向性も見える化できます。
スコアリングモデルの設計ステップ
ステップ1:目的を明確にする
「どんな見込み客に、どんなアクションを起こしてほしいのか」をはっきりさせましょう。
例:
- 資料請求から営業アプローチへつなげたい
- お問い合わせ数を増やしたい
- セミナー集客につなげたい
ステップ2:スコアの対象となる行動を洗い出す
Web上の顧客行動をリストアップします。
- サイト訪問(回数・滞在時間)
- 特定ページの閲覧(価格、商品説明ページなど)
- フォーム送信
- メールの開封・クリック
- SNSのフォローやシェア
これらをどこまで追えるかは、MAツールやCRMの設定次第なので、まずは基本的なものから始めましょう。
ステップ3:行動・属性ごとにスコアを設定する
行動の「温度感」に応じて、点数を設定します。
行動/属性 | スコア例 |
---|---|
メール開封 | +5 |
メール内リンククリック | +10 |
資料ダウンロード | +15 |
問い合わせフォーム送信 | +25 |
サイト訪問が5回以上 | +20 |
BtoBの役職者(属性) | +10 |
注意点:点数の差をつけすぎないことがポイントです。バランスが悪いと、スコアだけが先行し、実際の関心度と乖離してしまう可能性があります。
ステップ4:しきい値(アクション基準)を決める
例えば「合計スコアが50点以上になったら、営業が電話をする」といったように、アクションのトリガーとなる基準値を設定します。
この「しきい値」は、数週間〜1ヶ月運用してみてから、実際の成果に応じて調整していくとよいでしょう。
よくある失敗と注意点
- スコアをつけすぎて管理が複雑になる → 最初は行動5〜7種類、属性3〜4項目程度で十分です。
- スコアを放置して活用しない → 定期的に「高スコアの見込み客」に営業連絡やメールを送るようルール化しましょう。
- 営業とマーケの連携が取れていない → スコアの基準や反応の方法を社内で統一することが重要です。
まとめ:スコアリングは「成果につながる見込み客」に集中する仕組み
スコアリングモデルは、限られたリソースで最大の成果を出すための“地図”のようなものです。ただし、完璧なモデルを最初から作る必要はありません。
まずは、「どんな行動が関心の高い顧客を示すか?」をチームで考え、小さく試してみること。使いながら改善していくことで、自社に合ったモデルが完成していきます。
もし、すでにCRMやMAツール(HubSpotやSATORIなど)を導入していれば、その中にスコアリング機能があるか確認してみましょう。ツールを活かす鍵は「設計」と「運用」です。
自社の見込み客を見える化し、成果を最大化するために、ぜひスコアリングモデルに取り組んでみてください。
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