カスタマーサクセスと連携してLTVを最大化するための中小企業戦略
中小企業の多くは「新規顧客の獲得」に注力しがちです。確かにリードを増やし、成約数を伸ばすことは重要ですが、それだけでは事業の成長は頭打ちになります。
本当に安定した売上をつくるには、「顧客との関係を長く続けていくこと」――つまり、LTV(顧客生涯価値)を伸ばすことが欠かせません。
その鍵を握るのが「カスタマーサクセス(CS)との連携」です。
今回は、ITサービス、EC、飲食店など10〜50名規模の企業でも実践できる、カスタマーサクセスと連携してLTVを高める方法について解説します。
そもそもカスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、**「顧客が自社の商品・サービスを通じて成功を実感できるように支援する活動」**です。単なるサポートとは異なり、受け身ではなく、積極的に顧客と関わり、継続的な成果をサポートします。
たとえばSaaS(クラウドサービス)を提供するIT企業では、「ツールを導入してもらったあと、継続的に使ってもらうための活用支援」や「定期的なフォローアップ」がこれにあたります。
LTVを伸ばす3つのポイントとCS連携
1. 契約後の放置を防ぐ「オンボーディング」の強化
契約・購入直後は、顧客が一番ワクワクし、かつ不安も感じているタイミングです。このときに何もサポートがないと、「思っていたのと違った」と短期解約や離脱に繋がりやすくなります。
CSと連携して、導入後30日以内の「オンボーディングプログラム」を用意しましょう。
たとえば:
- 初回サポートメール or 電話
- 操作マニュアルや使い方ガイドの送付
- よくある質問の案内
- おすすめの使い方コンテンツ
これだけでも「しっかりフォローしてくれる会社」という安心感が生まれ、継続率が上がります。
2. マーケティングとの情報共有でアップセルを狙う
LTVを伸ばすには「アップセル」「クロスセル」の提案も重要です。ですが、「誰に何を提案すべきか分からない」と悩むことはありませんか?
CSチームは、日々のやり取りの中で顧客の課題やニーズを把握しています。この“生の情報”は、マーケティングにとって宝の山です。
たとえば以下のような連携を取りましょう。
- CSが収集したよくある質問やニーズをもとに、マーケがメールコンテンツやキャンペーンを企画
- サービス利用履歴に応じたパーソナライズメールを送信
- 利用状況に基づいてタイミングを見て上位プランを提案
これにより、営業的な押し売り感がなく、自然な形でアップセルへつなげられます。
3. 離脱兆候を早期にキャッチして対策を打つ
LTVが低くなる原因のひとつが「突然の解約や離脱」です。ですが、実際にはその前に**必ずサイン(兆候)**があります。
- ログイン頻度が減った
- サポートへの問い合わせが増えた
- 利用プランの機能を使っていない
こうした情報をCRMやカスタマーサクセスツールで把握し、マーケティングや営業と連携して、事前にフォローアップすることが大切です。
たとえば、「最近ログインされていない方に向けた再活用ガイドの送付」「ヒアリングの機会提供」など。小さなアクションの積み重ねが、解約防止につながります。
中小企業でもできる!CS連携のはじめ方
「カスタマーサクセスなんて、大企業だけの話でしょ」と感じる方もいるかもしれませんが、特別なチームがなくても始められます。
まずは今いるスタッフの中で、**「既存顧客を継続的にサポートする役割」**を一人明確にしておくことから始めましょう。小規模な組織だからこそ、営業・サポート・マーケティングが連携しやすく、機動力があります。
また、情報共有にはスプレッドシートや簡易なCRM(HubSpotなど)でも十分機能します。顧客の声や課題を定期的に社内で共有する仕組みを作ることで、マーケティング施策の改善やサービス品質の向上にもつながります。
まとめ:LTVは「売って終わり」ではなく「使い続けてもらう」戦略で伸びる
限られた予算と人員で成果を上げたい中小企業にとって、LTVの最大化は最も効率的な成長戦略です。
新規顧客を追いかけるだけでなく、「今いるお客様にもっと価値を届ける」視点を持つことで、売上のベースが安定し、事業が強くなります。
カスタマーサクセスはそのための重要なパートナー。ぜひ社内での連携を見直し、「売る→活用してもらう→継続してもらう」の流れを仕組み化していきましょう。
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